あらすじ
中学二年のカナは、何事にも期待しない冷笑的な少女です。人と深く関わることを無駄だと思い、毎日をどこか他人事のようにやり過ごしていました。
そんなある日、カナの右目にだけ、この世界の“裏側”が見えるようになります。人の背中に浮かぶ謎の文字列、壊れる直前のものに表示される異常な情報、そして誰にも気づかれないまま“消された”人の痕跡。世界は、見えない何者かによって管理され、不要と判断された存在は記憶も記録もろとも削除されていたのです。
やがてカナは、明るくてお節介な幼馴染・サキの背中に、赤い削除予告を見つけます。放課後16時、サキはこの世界から消される――。顔のない管理者たちに追われ、崩れていく校舎を逃げる中で、カナは初めて「失いたくない」と思う感情に突き動かされます。
不要なものを切り捨てて成り立つ世界で、カナはたった一人を守るため、自分の存在そのものを賭けて世界のルールに逆らいます。これは、冷え切っていた少女が、誰かのために世界を選び直す物語です。