あらすじ
戦国の姫は、泥にまみれて自由を知る。――異世界で桔梗の花は咲く。
戦国の姫、細川ガラシャ―― 波乱で切ない最期を迎えた彼女。
生前、暗闇の中で唯一の救いであった「祈り」を胸に転生したのは
平和な聖都サン・マリアンヌだった。
誰かの「飾られる花」になることをやめ、自分の手で日々を紡ぐため、彼女は街外れの修道院跡地で『小さな薬師』として歩み始める。
――しかし、本人は至って真面目にスローライフを送るつもりでも、戦国時代で培った常識は、平和な異世界では少しズレていた。
無意識の「毒見」作法。獣害対策のえげつない戦国トラップ。
さらには陣中食のノリで作った激マズ料理が、ささやかなラテン語の「祈り(恩寵)」によって超回復ポーションに変わってしまうなど、思わぬ奇跡とハプニングの連続。
異世界の「慈愛の女神」をも「姿形が違えど、弱きを助ける御心は私の信じる主と同じ」と敬い、寛容に受け入れるガラシャ。
胸元のロザリオを握りしめ、前世の教えと共に異世界の人々や魔物(?)と交流するドタバタで心温まるスローライフ。
泥にまみれ、笑い合い、自由に生きる日々の中で戦国の姫はゆっくりと、
けれど確かに自分らしさを取り戻していく。
明智玉――細川ガラシャは、戦の記憶をそっと胸に秘め、
異世界の光に照らされながら、新たな季節を歩むひとつの花となる。
「ただ、あなたらしく咲きなさい」