あらすじ
人間の言葉は嘘ばかりだ。だが、鋼は嘘をつかない。
【武器修理師】のリオンは、万物の声を聞くスキル『鋼の真音』を持ち、勇者パーティーの武器のメンテナンスを一人で担っていた。
しかし、錬金術師の「一瞬で武器を治す薬」に目が眩んだ勇者から、「お前のチマチマした修理はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
退職金代わりに「ゴミ」として押し付けられた、折れた古剣。
リオンがその痛みに寄り添い、自身の魔力と魂を削って完璧に研ぎ直した瞬間――古剣は、絶世の美少女精霊へと姿を変えた!
『……あぁ、主様。こんなに深くまで私を満たしてくれたのは、貴方が初めて。もう、一生離しませんよ……♡』
顕現した魔剣・グラムは、聴く者の脳をとろけさせるような極上の美声で、リオンに狂おしいほどの『激重な愛』を向けてくる。
一方その頃。リオンの丁寧なメンテナンスを失い、薬漬けにされた勇者たちの武器は、絶望の中で次々と自壊(ストライキ)を始めていた。
慌ててリオンを探し出し、新しい強化武器で襲い掛かってくる勇者だったが……
「こんなメッキのオモチャで、私の主様に傷がつけられるとでも?」
愛しの主人のため、グラムはその絶対的な力で勇者の武器を『素手』で粉々にへし折ってしまう。
「俺はただ、悲鳴を上げる武器を直してやりたいだけなんだがな……」
これは、武器を道具としか思わない愚か者たちが破滅していく裏で、無自覚な職人が「愛が重すぎる武器娘たち」に囲まれ、世界最高の剣を作っていく物語。