あらすじ
【あらすじ】
両親の事故の真実を探るため、祖母・糖子(とうこ)を探していた不動旭(ふどうあさひ)はある日、新羅(しんら)と名乗る子どもに襲われる。新羅は糖子を知っている素振りを見せたが、闖入した染(せん)によって旭は意識を失ってしまう。
不可思議な催眠により一時はその出会い自体を忘れていた旭であったが、彼らが舞台傾(かぶ)きの役者である傾奇者(かぶきもの)であることを突き止め劇場へと向かった。そこで祖母・糖子の死を知らされるが、諦めきれない旭は新羅との接触をはかる。
糖子の話を通じて交流を重ねる中で、旭は【虚(うつ)け】という化け物に襲われる。
そして──、知る。
虚けが昔話や童話などの作品世界から出てくる異形であり、その目的がこちらの人間との成り代わりであることを。
ただの舞台役者であると思われた【傾奇者】は、その虚けを作品世界へと戻す役割を担っていることを。そして彼らもまた、作品世界の名も無き登場人物であることを。
適合者である音哉(おとや)を救うため、虚けのもたらす戦慄の十三夜をともに乗り越えた旭と新羅。
虚けを戻すための【字】を突き止めたことにより、今代の神子として認められた旭であったが──旭の中には、【それ】がいた。
神子と傾奇者。
物語が、文字が、名が、言葉が紡ぐ──絆の軌跡をここに記す。
【人物紹介】
・不動旭(ふどうあさひ)
……真面目な性格であるが、薄灰色の瞳と両親を突き落としたとの事実無根の噂のために孤立している。
祖母である糖子を探している最中、新羅と出会う。運動神経抜群。
・新羅(しんら)
……傾奇者。十歳程の少年。黒髪を腰まで伸ばしている。糖子が生きていると信じ探し続けている。名付けの神子を知らず、自らの物語についてもわからない。
・染(せん)
……傾奇者。髪を掴む、墓石の上に立つなど粗雑な言動が目立つが、その実面倒見がいい。傾き名は初(うい)。
・誉(ほま)れ
……傾奇者。常にフードを目深に被り、人見知り故におどおどとしていることが多い。傾き名はのぞむ。
・瑠璃色(るりいろ)
……傾奇者。極度の暑がりで、口数は多くない。味覚が死んでいる。傾き名は四季(しき)。
・素晴(すばる)
……傾奇者。体格のいい美丈夫だが、虚弱体質でよく寝込む。自身の外見に自信がある。傾き名は瀬井(せい)。
・九重那由多(ここのえなゆた)
……舞台傾きの責任者であり、傾奇者や神子、目録の世話役を担う。
・目録(もくろく)
……真白い少女。世界中の物語を記憶しているという。
・鞍之木音哉(くらのぎおとや)
……旭の両親が事故に遭った現場に居合わせており、その時の話を聞きたい旭につきまとわれている。女子とばかりつるんでおり、言動は軽い。他人に知られたくない秘密があるようだが……?
・不動椛(ふどうもみじ)
……旭の父。幼い旭に山を走らせるなど、厳しく旭を育てていた。現在は意識不明のため入院中。
・不動嬉幸(ふどうきさき)
……旭の母。優しく穏やかな性格で、夫と息子を何より愛している。現在は意識不明のため入院中。
・不動糖子(ふどうとうこ)
……旭の祖母。故人。先代の神子であり、五年前に新羅を拾った。
◆全28話。
◆1日1~2ずつ投稿します。