あらすじ

福岡市内、早良区。 かつて社(やしろ)があったという赤土の分譲地。 接地工事――それは、余剰な電気を地面に逃がす「道」を作る地味な作業。 だが、地中深く打ち込んだアース棒は、電源のないはずの場所から奇妙な拍動を拾い上げる。 1.2V……3.5V……8.0V……。 テスターが示すのは、逃げ場を失った迷走電流か。 それとも、泥の底で呼吸を続ける「誰か」の執着か。 「……落ちろ」 真っ黒な炭素粉で塗りつぶし、全体重で踏み固める。 不純物を絶縁し、回路を沈黙させたはずの男。 その指先が、なぜ微かに震えているのか。 ――これは、愛ではない。ただのノイズだ。 (著:位相 朔)

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カクヨム
カクヨム2026/04/07
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