あらすじ
「おーっほっほっほ! 見なさい殿下、これぞ世界を呑み干す深淵の呪いですわ!」
闇属性の魔力を持つ公爵令嬢エイレネは、究極のロマンチストだった。
書庫に引きこもりメロドラマを読み漁った彼女の夢は、【王子様とヒロインの真実の愛のために、美しく散る悪役令嬢】になること。
自分のような陰気でじめじめした女は、キラキラ輝くアリオス殿下の隣にふさわしくない。
――ならば、自ら悪となって断罪され、殿下に「理想のヒロイン」を捧げて死のう!
そう決意して、地味な侍女リリを全属性の最強ヒロインにプロデュースし、完璧な断罪イベントを仕掛けたはずなのに……。
「ーーなんて献身的なんだエイレネ! 」
殿下の「光属性全肯定フィルター」が強すぎて、嫌がらせはすべて「至高のデレ」に翻訳されてしまう。
協力者のはずの頑張って見繕ったヒロイン候補リリも「お似合いっすよ」と欠伸をしながら、私の余った闇魔力を洗濯の乾燥機代わりに使い始める始末。
曾祖母(元王家のお姫様)の強力なコネと、国民からの「聖女」認定。
逃げ場のない全肯定の檻の中で、死にたがりの純闇令嬢は今日も外堀を埋められ続ける。
――味方がいない。という点においては、彼女は間違いなく立派な悪役令嬢だった。
※不定期・思いつき更新の読み切り連作です。時系列が前後する場合があります。