あらすじ
本能寺の変――
信長は討たれ、光秀はやがて敗れる。
その結末は変わらない。
だが、そのあいだには“本来存在したはずの時間”がある。
都が迷い、噂が揺れ、
まだ誰も「逆臣」と断じきれない一拍の余白。
その余白に、
秀吉は「長引かせるな」という言葉を走らせ、
光秀は意味を奪われ、
そして――足利義昭だけが、その揺れを感じ取っていた。
「本能寺は止めない。だが、歴史の確定は渡さぬ」
都に満ちる声の乱れ。
揃いすぎる噂。
揺れ始める光秀軍。
迷い始める公家。
そして、まだ姿を見せぬ秀吉の“言葉の影”。
これは、刀ではなく“意味”で争われた、
本能寺の後のもう一つの戦い。
歴史がどのように“確定されたか”を巡る物語である。