あらすじ
死神の仕事は、魂を回収すること。
そこに感情は必要ない――はずだった。
無表情で職務をこなすベテラン死神の彼女は、回収規定「三日」を絶対としている。
どんな事情も例外にはならない。
ある日担当したのは、子犬を助けようとして命を落とした二十五歳の青年の魂。
彼には両親はおらず、唯一の家族は来月結婚式を控えた妹だけだった。
「妹のウェディング姿を見るまでは逝けない」
そう訴える青年に対し、彼女はただ一言告げる。
――規定は三日。
願いも未練も許されない。
彼女は淡々と魂を回収し、青年は怒りを残して冥府へ消えた。
それからしばらく後。
新人死神とのバディ任務を命じられた彼女の前に現れたのは、あの日回収したはずの青年だった。
感情を隠さない新人と、揺るがない無表情の死神。
衝突を繰り返しながらも、青年は次第に死神という仕事を理解していく。
しかし彼のひとり立ち試験の日、指定された魂は――
妹の胎内に宿る、まだ生まれていない命だった。
規定と感情。
守るべきか、回収すべきか。
これは、無表情な死神と新人死神が向き合う、
少し切なくて少し優しい「仕事」の物語。