あらすじ
「アルティナ! 貴様のような冷酷な女は、我が国の王妃にふさわしくない。国外追放を命ずる!」
卒業パーティーの最中、第一王子カイルから突きつけられた非情な宣告。
軍部を支え、独自の演算魔法で国境の結界を維持し続けてきた「軍神令嬢」アルティナ・フォン・グラナードは、その場で優雅に扇子を広げた。
「承知いたしました。では、今この瞬間をもって、私はこの国の『盾』であることを辞めさせていただきますわ」
彼女が指を鳴らした瞬間、国を護っていた絶対の防壁が消失する。
前世は現代の「リスクコンサルタント」。
情に流されず、合理的に世界を支配してきた彼女にとって、この追放は「詰み」へ向かうための最初の手札に過ぎなかった。
未練なく国境を越えたアルティナを待ち受けていたのは、かつて戦場で剣を交えた隣国の「狂犬王太子」レオン。
「俺の国を、お前の力で鉄壁の楽園に変えてみせろ」
そう不敵に笑う彼と共に、アルティナは新たな盤面(せかい)を構築し始める。
一方、アルティナという「最強の盾」を失った母国は、瞬く間に隣国の脅威に晒され、崩壊の危機に陥っていた。
「助けてくれ、アルティナ! 君がいなければこの国は……!」
今さら泣きついてくる元婚約者に対し、アルティナは冷徹な微笑みを浮かべて告げる。
「助けて? 勘違いしないでください。私は投資家です。貴国を救う対価として、その王冠を差し出せますか?」
これは、自分を捨てた国を「感情」ではなく「戦略」で徹底的に買い叩く、軍神令嬢の華麗なる逆転劇。