あらすじ
白い神殿で育った少女セシアは、
神に選ばれる“聖女候補”のひとりだった。
だが彼女は、祈りの才にも祝福にも恵まれず、
ただひとつ――死者の声を聞いてしまうという、
神殿にとって不気味な力だけを持っていた。
ある夜、候補生の少女がひとり死ぬ。
それは“事故”として処理されるはずだった。
けれどセシアだけは、その死者が最後に残した声を聞いてしまう。
「……まだ、祈っていたのに」
その言葉をきっかけに、
セシアは神殿の外へ追い出されるように旅へ出る。
そして道中、口の悪い女盗賊リゼと出会い、
ふたりで“誰にも拾われなかった最後の声”を辿ることになる。
これは、
神に選ばれなかった少女が、
なかったことにされた死を拾い集める旅の物語。