あらすじ

王宮の聖女アリシアには、誰にも言えない秘密がある。 人を癒すたびに、記憶を一つ失うのだ。 母の顔。幼馴染の名前。初めて花を見た日——聖女の力を使うほど、大切な記憶が静かに消えていく。日記帳に「今日も一つ忘れた」と書き残すことだけが、失ったものの証。 王宮はその代償を知りながら、聖女を外交の道具として使い続ける。「聖女の義務です」「国のためです」——誰も、彼女が壊れていくことには触れない。 ただ一人、騎士団長カインだけが異変に気づいた。 「もう誰も救うな」 彼の言葉にアリシアは首を振る。救わなければ、人が死ぬ。でも救えば、自分が消えていく。 そして気づく。母の顔も、幼馴染の名前も忘れたのに——カインの名前だけは、一度も消えていないことに。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/04/07
  • 現在の作品聖女の癒しには代償がありまして、人を救うたびに記憶を一つ失います ~それでもあなたの名前だけは忘れませんでした~