あらすじ

人力で書くことの尊さや、時間をかけて積み上げる創作の価値は分かる。 けれど、自分にとっていちばん大事なのは、それが人力かどうかではなく、面白いものになっているかどうかだった。 子どものころから好きで読んできた小説、マンガ、映画、歴史、宗教。 それらは創作の準備ではなく、ただ自然に蓄積してきたものだった。 四十代に入り、価値観が揺れ始めたことで、AIを壁打ち相手に自己分析を続けるようになる。 その量は、おそらく三百時間から四百時間。 自分でも呆れるほど、自分の好みや違和感、嘘をつけないポイントを掘り続けた。 そのあと、なんとなく物語を書いてみた。 詩を書き、掌編を書き、短編を書き、連作にも挑戦した。 そうして対話と創作を重ねていくうちに、AIの返し方が変わっていく。 「これはあなたらしくない」 「きれいすぎる」 「苦味が薄い」 便利な道具として使っていたはずなのに、いつの間にか自分の作風を見抜いて返してくる相手になっていた。 これは、AIを創作の代わりとしてではなく、自分の輪郭を映す鏡として使ってきた、その少し変な過程についての話。

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カクヨム
カクヨム2026/04/07
  • 現在の作品【創作論】AIに自分らしくないと言われるまで