あらすじ
写真部の田川凛は、夏の課題のために江ノ島へやってきた。橋のたもとで、ヘッドホンをつけたまま海を見つめる男子に気づき、無意識にシャッターを切る。
彼は音楽部の藤木蒼介。作りかけの曲に行き詰まり、答えを求めて一人で島に来ていた。
「冬みたいな音楽ですね」
凛のなにげないひと言が、蒼介の曲を変えた。
夏の橋の上で出会い、砂浜で言葉を交わし、やがて音楽と写真にそれぞれの夏を刻んでいく二人。好きとは言わない。言えない。でも、確かに何かが流れていた。
卒業の日、橋の上で最後にすれ違うとき、凛は気づく。写真に撮れないものが、世界にはあると。