あらすじ

令和の会社員・松井耕作(四十歳)は、ある日突然、神隠しに遭う。 気がつけばそこは昭和三十年代の荒川区・町屋。スーツ一枚、現金はドル紙幣一枚だけ。 記憶を頼りに辿り着いたのは、北千住の袋小路に佇む小料理屋『冬凪』。 カウンター五席、都電の振動だけが届く静かな店に、令和でも見知った顔の女将――須田冬子がいた。 無職・無戸籍・住所不定。どん底から這い上がろうとする耕作を、冬子は淡々と、しかし確かに受け入れていく。 皮革職人の功ちゃん、洋品店主の謙三さん、流しのギター弾き比呂ちゃん――昭和の下町の人情に包まれながら、耕作は新たな居場所を見つけていく。 だが、冬子には過去があった。新橋の不審死事件、銀座のバー、首筋の消えない傷跡……。 そして耕作には、いつか令和に戻されるという避けられない運命があった。 昭和と令和、七年間の静かな愛の物語。

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小説を読もう2026/04/07
  • 現在の作品『冬凪(ふゆなぎ)』