あらすじ

D級覚醒者・柏木ハルのスキルは《土壌操作》。できることは、土のpH値を整え、水分量をいじり、高さ十センチの土壁を作ることだけ。 スライム一匹倒せず、適性テストでは「農業に向いてる」と目を逸らされた。攻撃スキルがもてはやされる配信界隈では完全に“ハズレ”扱いで、パーティーをクビになり、手元に残ったのは事務職の給料と月額三千円の手当てだけ。 そんなハルが諦め半分で始めたのは、ダンジョンのセーフエリアで「庭を作る配信」だった。舞台は六畳の空き地。軍資金は百九十八円のバジル一株。視聴者はわずか八人。最弱モンスターから苗を守る武器は、頼りない十センチの土壁のみ。 「新芽、出てる」「今日も生きてる」「この配信だけ、空気がやさしい」。バジルが一枚ずつ葉を増やすたび、画面の向こうに小さな「いいね」が灯っていく。やがてその平穏は、過酷なレイド戦に疲れた上位ランカーや、世界の異常を察知した研究者たちをも引き寄せ始めて——。 戦えないD級覚醒者と198円のバジルが、世界中の疲れた魂を救う“最強の避難所”になっていく。 ——すべての庭は、一株から始まる。

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カクヨム
カクヨム2026/04/06
  • 現在の作品[一部完結]戦闘不能のD級覚醒者、ダンジョンで198円のバジルを育てる 〜能力は「土いじり」だけ。10センチの土壁で推し(苗)を守る配信が、疲れた世界をそっと癒やしていく〜