あらすじ
灰が降り続ける未来。人類はドーム都市「エンクレイブ」の中で管理システムに守られて暮らしている。暴力はなく、怒声もなく、すべてが「心配」と「配慮」と「保護」という善意で運用されている。
ただひとつ、この社会にはルールがある。法律ではない。空気だ。
「問い」を持ってはいけない。
「このボタンはどう押す?」は疑問(クエスチョン)——許される。「なぜ生きているのか?」は問い(インクワイア)——許されない。その区別を誰も教わっていないのに、全員が知っている。問いを発した者は面談に呼ばれ、やがて「移住推奨」という名の排除が始まる。
この世界で、ひとりの人間が問い始める。答えは出ない。革命も起きない。ただ、均された歩幅が少し崩れる。
全12エピソード・36シーンの管理社会SF。