あらすじ
王太子が告げた婚約破棄は、恋の宣言ではなく、国家への裏切りだった。
婚約者イザベル・ド・エノーは、ただの公爵令嬢ではない。
王家と並び立つ力を持つ大貴族、その嫡流である。
つまりこの婚約は、個人の感情で壊していいものではなかった。
「真実の愛」を掲げた愚かな王太子は、自らの一言で王家の信用を揺るがし、公爵同盟と教会をも動かしてしまう。
やがて王都を覆うのは、恋の祝福ではなく、静かな清算。
怒鳴らず、泣き叫ばず、ただ契約が破られた事実と代償を正しく回収していくイザベル。
これは、婚約破棄を“現実”にしたとき、何が起こるのかを描く物語。
甘い恋では終わらない。
最後に残るのは、王冠でも愛でもなく、破られない約束だけ。