あらすじ

24歳のシナリオライター・相馬悠は、乙女ゲーム「星灯りの約束」のヒロイン・アリアの設定を夜通し書き込んでいた。明るくて素直で、陰キャでコミュ障な主人公を無条件に好きになる――その細かい癖まで書き尽くし、資料を保存して眠る。  翌朝、インターホンが鳴ってドアを開けると、そこに立っていたのは、髪の色や笑い方まで、昨夜書き込んだアリアそのものだった。「相馬悠さんが作ってくれた、アリアです」と名乗り、オムライスが好きだとか、怒ると頬が赤くなるとか、自分の細かい癖が設定と寸分違わないと、資料を一枚ずつ見ながら証明する。悠は混乱し、自分が書いた「俺が好きになる」設定が、目の前の女の子から直接口にされる違和感に圧倒される。  アリアは、設定どおり几帳面で、散らかった部屋を整理し、夕食にオムライスを用意する。だが、眠そうなとき目をこすったり、落ち込んだとき「話しますか?」と聞き、無言でホットミルクを置いていく――「設定にない」挙動が少しずつ増えていく。悠は、アリアが自分の手を越えて、自分自身の意思を持っているように感じる。アリアは「妹」と呼ばれるのを嫌い、「眠れないとき、相馬さんが起きてると、なんとなく眠れなくて」と言い、そのたび、悠はアリアがキャラクター以上に、一人の人間だと思い始める。  やがて、アリアのシナリオが完成し、悠が「俺も、お前のことが好きになった」と告げる。アリアは「最初は設定だったかもしれないけれど、今は好きだから観察している。好きになったのは、設定じゃないと思います」と答える。翌朝、アリアは消えていない。「消えたくない」と言って、アリアは自分の想いだと明言する。アリアは今も悠の家にいる。オムライスが二人分、テーブルに並ぶ。アリアの笑顔は、設定の文字以上に、温かさを含んでいる。

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エブリスタ
エブリスタ2026/04/06
  • 現在の作品俺が育てたキャラクターのAIが、体を持って現れた