あらすじ
生まれた瞬間の第一声が——
「はい〜」だった。
その一言を聞いた母は確信した。
「この子……勇者だわ」
こうして、極度の人見知りでコミュ障な少年・ユウの人生は、本人の意思と一切関係なく“勇者育成ルート”に突入する。
剣術、礼儀、魔法理論、王都語、野営術、馬術、外交マナー。
赤ん坊の頃から英才教育を叩き込まれた結果、ユウは立派に育った。
ただし——
「はい」と「いいえ」しかまともに言えないまま。
しかも母は、ただの教育ママではない。
息子が「い……」と否定しかけた時点で先回りし、
「そうよね、つまりあなたは“より合理的な最適解”を求めているのね」と勝手に結論を上書きする、全知全能の母だった。
その結果、ユウの「はい」「いいえ」「はい?」はすべて周囲に都合よく解釈され、
なぜか王都では“寡黙で深遠な勇者”として大絶賛。
ボロい剣を断れば中から聖剣が出てきて、
黙っているだけで交渉が成立し、
魔物は勝手に自滅し、
ついには魔王軍まで「この勇者、何もかも見抜いている……!」と震え上がる始末。
でもそのすべてを、一番正確に“翻訳”してしまうのは——やっぱり母だった。
「世界が母に合わせているのか、母が世界を読んでいるのか。」
誰もが彼を勇者だと信じる中、当の本人だけがずっと思っている。
(帰りたい)
これは、
「はい」と「いいえ」しか言えない勇者(ではない)主人公が、
世界中の盛大な勘違いに巻き込まれながら、最後にたった一言だけ“自分の言葉”を取り戻す物語。
母、強すぎ。
世界、察しすぎ。
主人公、しゃべれなさすぎ。
全24話予定、ギャグ全振りなのにラストだけ妙に刺さる、
“会話不能系 勘違い勇者コメディ”開幕。