あらすじ
視えてしまう。感じてしまう。だから、見なかったことにはできない。
霊感を持つ大学生・Nは、合コンの場で“夢の中の加害者”と再会してしまう。
死者の記憶を夢で追体験するNと、未来を視るソウマ・アヤカ。
交差する二つの夢が暴くのは、数年前の自殺事件と、いまなお続く罪の連鎖。
恋人ビーのぬくもりに支えられながら、Nは怪異と現実の狭間を歩いていく。
百合×怪異×大学生サスペンス。
登場人物紹介・最終版
N(エヌ)/私
本作の主人公。大学三年生。
高身長で中性的な雰囲気を持ち、スポーツ万能。護身術の道場に通い、師範代も務めている。
父方の女性にのみ受け継がれる強い霊感を持ち、人ならざるものを見たり、匂いや気配、残留思念を感じ取ったりできる。
特に強いのは、知らない誰かの視点の夢を見て、その記憶や感情まで追体験してしまう能力。
普段は穏やかで照れ屋だが、恋人のビーが絡むと無自覚に王子様ムーブを発動する。
ビー
Nの幼馴染で恋人。日英ハーフの美しい女性。
深い色のブロンドとグリーンの瞳を持つ。身体が弱く、十五歳で手術するまではほとんど外に出られなかった過去を持つ。
現在はイギリスの大学を休学し、一時帰国中。
昔からNへのスキンシップが多く、恋人になった今も積極的。けれど、Nの不意の優しさや無自覚な王子様ムーブには弱く、すぐ赤くなる。
明るく振る舞う一方で、つらさを隠して笑う癖がある。
カナ
Nの高校時代からの親友で、同じ大学に通う新聞部のエース。
文章力と取材力に優れ、教授からも信頼されている。
好奇心旺盛だが、相手の痛みに土足で踏み込まない線引きをきちんと持つ人。
Nの体質を知っており、事件の渦中でも真っ先に彼女自身の心を心配する、信頼できる友人。
ソウマ・アヤカ
法学部二年。学内でも有名な才媛。
予知夢を見る能力を持つ。
エキゾチックな美貌と冷静な頭脳を併せ持ち、父の仕事を手伝う裏の顔もある。
数年前に自殺した少女・サクラの幼馴染であり恋人。
救えなかった後悔と喪失を抱えたまま、彼女なりのやり方で“罪と対価”に向き合っている。
サクラ
数年前に自殺した大学生。
ソウマの幼馴染で恋人だった少女。
その死は、現在の事件と深く結びついており、Nの夢を通して少しずつ真相が浮かび上がっていく。
やさしく、素直で、ソウマの中に今も強く生き続けている存在。
タクト
Nの近所に住む同い年の従兄弟。
Nの体質を幼い頃から知っていて、何かと助けてくれる兄弟のような存在。
軽口が多く、Nをいじるのが日課だが、実はかなり面倒見がいい。
スチュアート
ビーの父で、イギリス人の大学教授。
Nの通う大学に客員教授として籍を置き、いくつか講義も担当している。
明るく紳士的で、英国式ジョークを交えながらNとビーの仲を見守っている。
Nのことを「娘のナイト」と呼ぶお茶目な人物。
ミコト
Nの高校時代の友人。由緒ある神社の娘。
Nと同じく強い霊的能力を持ち、特に祓いに長けている。
クールビューティーで感情を表に出さず、“氷の君”の異名を持つ。
要所でNへ的確な助言を与える存在。
マリア&マリコ
Nの大学の友人コンビ。
筋金入りの百合オタクで、Nとビーを見るたびに「尊い」と盛り上がる賑やかし担当。
物語にコメディと勢いをもたらす一方で、意外と空気を読む。
トウドウ・タカヤ
某有名大学医学部四年。
整った外見と柔らかな物腰で人を油断させるが、裏では女性に薬を盛り、暴行と撮影を繰り返している卑劣な男。
Nの悪夢の中心にいる存在であり、物語の暗い核となる人物。