あらすじ
魔術は、空想の産物ではない。
ただしそれは、選ばれた者だけが知る“現実”だ。
神秘が影に潜む世界。
ドイツ・ミュンヘンの裏側に存在する、西洋魔術研究機関に属する専門教育機関〈学園〉では、今日も“卵”たちが未来を約束される側へと選別されている。
——その中で、ひとり。
最初から“外れた”存在がいた。
ルシウス・カルデンソフィア・ステラフォル。
占星術の祖を起源に持つ名門の血を引きながら、彼は「落ちこぼれ」の烙印を押された魔術師見習いである。
理由は単純にして致命的。
彼の身に刻まれた神秘——未来予知は、制御不能だった。
破滅の未来を“夢”として視る。
だが、それを覆す力は足りない。
結果、彼が関わった事件はすべて、最悪の形で現実となる。
暴力沙汰、施設破壊、数々の問題行動。
だがそのすべては、誰かを救おうとした末の“失敗”だった。
誰にも理解されず、語ることもなく、
彼はただ沈黙のまま、災厄の中心に立ち続ける。
やがて学園は彼を見限る。
三十五件に及ぶ問題行動の末、与えられた処分は——
通称『落ちこぼれ寮』への転寮。
そこは、学園における“隔離区”。
失敗作、異端、規格外。
正規の枠から弾かれた者たちが集められる場所。
だが皮肉にも、そこで彼は知ることになる。
自分が“底ですらなかった”という事実を。
癖の強すぎる問題児たち。
常識の通じない日常。
そして、これまでとは異なる“関わり”。
孤独を選び続けた少年は、否応なく巻き込まれていく。
衝突し、壊し、それでも——
少しずつ、何かが噛み合い始める。
それは、救済か。
それとも、さらなる破滅か。
欠陥だらけの魔術師見習い。
その歯車は、未だ狂ったまま。
——それでも彼は、運命に抗う。
最底辺から始まる、逆転と再構の物語。
「落ち目の星は、暗闇の中でこそ、激しく、儚く、そして何よりも美しく、輝き煌めくものだ」--カルデンソフィア--