あらすじ
学校中の誰もが、**八宮(はみや)**のことを「近づいてはいけない怖い女子」として恐れていた。鋭い眼光と人を寄せ付けないオーラは、周囲に冷たい壁を作っているように見えたからだ。
しかし、高校生の**結城 幸輝(ゆうき かずき)**だけは違った。彼は他の生徒たちのように怯えたり、偏見の目で見たりはしなかった。
(みんなは怖いって言うけど……)
遠くから彼女を見つめながら、幸輝はふと思う。
(彼女はただ、ひどく孤独なだけなんじゃないだろうか)
周囲が作り出した「恐怖」というフィルターを通さず、彼はただ一人、彼女の心の奥にある寂しさを感じ取ろうとしていた。