あらすじ
2060年代。AIシステム「ハーモニー」がすべてを最適化した日本。起床時刻も食事も通勤ルートも、すべてが最適解として提示され、ほとんどの人間がそれに従っている。苦痛はなく、不満もなく、穏やかな日々が続いている。
そこに新しい症状が現れた。VOID——存在が薄れ、周囲の記憶から消え、やがて本人ごと消滅する現象。
篠宮零、23歳。AIの文章に「人間が触った」というラベルを貼るだけの仕事。ある朝、自分の右手の輪郭がぼやけていることに気づく。
ハーモニーは故障していない。完璧に動いている。完璧に動いているから、人が消える。
全11話の哲学SF。