あらすじ

両親の不仲により、物語という「内なる世界」に閉じこもって生きてきた石田沙耶。 高校でも長い前髪で視界を遮り、他者との関わりを拒んで過ごしていた。 そんなある日、彼女は中庭の大欅でカメラを構える写真部部長、西村駿と出会う。 レンズ越しの真剣な眼差しに心を奪われた彼女は、彼を追いかけるように写真部の門を叩く。 しかしそこには、駿と十六年の歳月を共にしてきた眩しい幼馴染、紡木陽向の姿があった。 自分には決して届かない、完成された「家族」の絆。 圧倒的な敗北感に打ちのめされながらも、沙耶は駿への恋心を通じて「愛」を知るために自らを変える決意をする。 一方、ある理由から「人物写真」を撮れずに苦悩していた駿。 沙耶の切実な祈りはレンズに映る景色を静かに、けれど決定的に変え始めていく――。 これは、孤独な少女がレンズ越しの光の中に自分だけの「居場所」を見つけるまでの物語。 本作は「歪な砂時計の落ちる先 ―幼馴染のまどろみが終わる時、僕たちは絶望を抱きしめる―」の登場人物、石田沙耶の短編です。 本編のネタバレが多数ありますので、ご了承ください。本作のみでも楽しめる作りになっております。

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カクヨム
カクヨム2026/04/06
  • 現在の作品【完結済】比翼の鳥に恋い焦がれた「背景」の私。――失恋の先に贅沢な「家族」を見つける。