あらすじ
宇宙の知的生命体が地球に来て、正式に交流が開始して二百年。日本で最初の一般用の宇宙港ができた宙港市立第一小学校には宇宙生物部があり、そこでは宇宙生物を育てていた。
小学校五年生の新藤あすかは、宇宙で働くことを夢見ている。宇宙という文字に惹かれて入った宇宙生物部で、ゼリー状の宇宙生物や、発光する宇宙植物を育てる。地球の生き物とは違う生態に興味津々。しっかりとデータをとれば、論文にできるかもしれない、と聞いて、やる気は増すばかり。
そんな日々のなか、校庭の隅でうずくまる子犬のような宇宙生物を保護する。脚の本数が多いことと、目が多いことから、宇宙生物であるようだった。少しずつ交流をしていくと、ある日、その宇宙生物は日本語を話し出す。
リュウマと名乗ったその生物はから、どうして人間よりも知性が低いと思うのか、と聞かれるが、あすかたちはなにも答えられなかった。
話を聞けば、彼は落としてしまった『デバイス』を探しているとのことだった。『デバイス』が見つからなければ大変なことになるらしい。
宇宙生物部総出で探すが、なかなか『デバイス』を見つけることはできない。もう少し話を聞こうとするが、リュウマは語彙が少なく、うまく交流することができなかった。
大人に手伝ってもらおうか、というと、リュウマはなぜか拒否する。拒否の理由は教えてくれなかった。
匂いを覚える性質がある宇宙植物の力を活用して、『デバイス』を見つけるが、『デバイス』は壊れてしまっていた。あすかたちはリュウマをなんとか励まそうとするが、悪用されるよりは壊れていたほうがましだ、という。
帰ってから直すと言って『デバイス』の残骸を持ち帰るリュウマを見送って一週間。少しさみしいなと思っていたところに、龍真という転校生が来た。案内をしようとすると、すでに校内のことはよく知った顔で歩き回る。
龍真は、『デバイス』で人間に擬態したリュウマだった。彼は、これからよろしくね、と笑った。