あらすじ
都市にダンジョンが出現して二十年。
探索者たちは、ドロップ装備と大手工房製の量産武器を使って潜るのが当たり前の時代になっていた。
大手装備会社《東雲クラフト》の下請け鍛冶師・朝倉蓮司は、
「一本ずつ調整しすぎる」「効率が悪い」「今どき鍛冶師なんて古い」と切り捨てられ、工房を追放されてしまう。
職も信用も失った蓮司だったが、最後に持ち帰った“廃棄予定のハズレ素材”を叩いた瞬間、
彼だけが見える表示が現れる。
【再鍛造】
――破損装備、劣化素材、規格外ドロップの“本当の価値”を引き出せます。
誰も使わない鉄くず。割れた魔石。失敗作の盾。
そんなゴミ同然の素材から作られた装備は、なぜか現場で圧倒的に強かった。
やがて蓮司の作る武器は、底辺探索者たちの生還率を変え、
口コミだけで広がっていく。
これは、追放された鍛冶師が都市ダンジョンの常識を鍛え直し、
やがて自分の工房と仲間を手に入れるまでの成り上がり譚。