あらすじ
女子大生だった前世の記憶を取り戻したアリシア・ヴァレンシアは、自分が乙女ゲームの「悪役令嬢」に転生したことに気づく。このままでは、卒業式の断罪イベントで処刑か国外追放という悲惨な末路を迎えてしまう。
破滅を回避するため、アリシアはゲームの知識を武器に動き出す。まずは悪役化の原因となる王太子への執着を捨て、円満な「婚約破棄」を画策するが、そこで予想外の壁となったのが幼馴染のライナス・クロフォードだった。
ライナスは「攻略対象外」の冷徹な背景キャラクターであり、幼い頃からアリシアに対して最も冷たく当たってきた「氷の君」である。しかし、断罪フラグを折るために奔走し、周囲の目を気にせず庭園で読書を楽しむようになったアリシアの「変化」に、彼は誰よりも早く気づいていた。庭園での静かな共存、暴漢からの救出、そして学院での守護。不器用ながらも自分を案じるライナスの隠された熱い想いに触れ、アリシアの心も次第に解きほぐされていく。
「攻略不可能」だったはずの冷徹な幼馴染が、実は十一年間も一途に自分を想い続けていたことを知ったとき、悪役令嬢の運命はゲームのシナリオを越えた、最高に幸福な結末へと書き換えられていく。