あらすじ
余命を告げられた侍女には、秘密がある。
宮廷侍女ナターシャは、左腕に刻まれた呪印のせいで二十歳まで生きられない。治療法はないと宮廷医に告げられ、残りの日々を静かに数えていた。
ある夜、新任の近衛騎士の剣が、この国のものではないと気づいてしまう。
敵国グラナート公国の間者。その正体を知っているのは、私だけ。
「殺すか、黙るか。選べ」
「協力する。ただし条件がある」
呪印の解呪法を探す代わりに、宮廷の情報を渡す。利害だけで繋がった共犯関係。秘密の密会。公の場では他人のふり。
やがて二人は、宮廷の奥に潜む三十年越しの陰謀にたどり着く。
呪印の真実。和平を阻む者の正体。そして、共犯者という名の距離が少しずつ縮まっていく先にあるもの。