あらすじ
昔キャンプ場で過ごしていた時、入り口付近に大きく「Welcome!」と表示された立板を杭打ちした大きなテントがあった。入ってみたら中にものすごく排他的な男がいたことがある。あれはどういうことだったんだろう。
下半身不随で生まれた子猫はトカゲを捕まえていじめ、脚が三本しかない牛はゆっくりと静かに歩いて食べものを探し、足が一本しかない物乞いのおばさんは優しく笑い、七歳の頃に両親に死なれた男は毎日ガンガーに祈りを捧げ、飼っているウサギの動きを眺めてケラケラ笑う。 世界がどれだけ私たちを壊しにかかってきたとしても、 じっとしているうちに私たちは世界に癒やされる。
頭の中で勝手に想像している何万人、何億人を相手にするよりも、目の前に実在するひとりの人間を相手にすることの方がはるかに骨が折れる。
(本文より)