あらすじ
あらすじ
二十歳の夏。
霊感を持つ大学生・Nのもとに、かつての幼なじみであり特別な存在――ビーが、突然帰ってくる。
再会の喜びも束の間、Nは奇妙な夢を見るようになる。
それは、自分ではない“誰か”の視点から、ビーを異常なまでに執着して見つめる夢。
やがて現実でも、ビーは正体不明の“何か”に怯え始める。
それはかつて彼女につきまとい、死してなお執着を手放さない男の残滓だった。
夢と現実が侵食し合う中、
Nは自らの力と覚悟を試されることになる。
――守りたいものは何か。
――そのために、どこまで踏み込めるのか。
恐怖と向き合う中で、二人の距離は少しずつ変わっていく。
これは、ひとつの怪異を乗り越えた、
“恐ろしくて、少し笑えて、そしてどうしようもなく甘い”
ひと夏の記録。
■主な登場人物
◆N(エヌ)
本作の主人公。大学生。
父方の家系に伝わる霊感を持ち、「他人の夢を見る」などの特異な体質を持つ。
高身長で中性的、運動神経も高く、護身術の道場に通う実力者。
普段は冷静で落ち着いているが、感情は内に抱え込むタイプ。
ビーに対しては特別な想いを抱いているが、自覚しながらも言葉にできない。
いざという時は迷わず踏み込む強さを持つが、その裏には恐怖と葛藤も抱えている。
◆ビー(Bea)
Nの幼なじみであり親友。日英ハーフの美しい女性。
身体が弱かった過去を持つが、現在は回復し、海外の大学に通っている。
無邪気で人懐っこく、距離感が近い。
思ったことをまっすぐ口にするため、無意識にNを翻弄することも多い。
過去にストーカー被害に遭っており、
その相手の“死後の執着”により怪異に巻き込まれる。
Nを強く信頼しており、精神的な拠り所としている。
◆タクト
Nの従兄弟で幼なじみ。草野球チームの中心人物。
ぶっきらぼうで口は悪いが面倒見がよく、Nの事情もある程度理解している。
現実主義者ながら、Nやビーを気遣う優しさを持つ。
物語における日常と安心感を支える存在。
◆祖母
Nの祖母。強い霊的感覚を持つ家系の中でも特に力のある人物。
寡黙で現実的、必要なことしか語らないが判断は的確。
危機に際しては迅速に動き、Nを導く存在。
優しさはあるが、それをあえて表に出さない厳しさも併せ持つ。
◆神主(近所の神社の神職)
Nの家と縁のある神社の神主。
霊的な問題に対処する知識と経験を持つ。
状況を冷静に見極め、最小限の言葉で的確な助言を与える。
今回の怪異において重要な対処法を提示するキーパーソン。
◆ミコト
Nの高校時代の友人。由緒ある神社の家系の巫女。
感情表現は控えめだが、霊的能力は非常に高い。
冷静沈着で合理的だが、仲間に対しては確かな信頼と優しさを持つ。
「氷の君」と呼ばれるほどの静けさと強さを持つ人物。
◆スチュアート教授
ビーの父でイギリス人の大学教授。紳士的でユーモアのある人物。
Nとビーの関係を面白がりつつも、二人を温かく見守っている。
軽やかな言動の裏に、深い理解と配慮を持つ大人。