あらすじ
佐藤渉は、自分の立ち位置をよく理解している。
派手なイベントも、劇的な告白も、自分には縁がない。だって、自分は「モブ」だから。
けれど、そんな彼には密かな楽しみがあった。それは、隣の席の地味(実はイケメン)男子・風間海斗と、学園のアイドル・一条彩乃の、じれったすぎる恋路を特等席で眺めること。
「……いや、そこは手ぇ握れよ。すごくじれったい!」
心の中でツッコミを入れつつ、二人の間に壁があればこっそり取り除き、すれ違いがあれば密かに橋を架ける。そんな「優しいモブ」として完璧な立ち回りをしていたはずの渉だったが……。