あらすじ
「お前のような陰気な偽聖女は追放だ。これからは、民を癒すアリアこそが真の聖女となる!」
冷たく暗い地下の祈りの間で、命を削って国中の『穢れ』を浄化し続けていた姉のソフィア。
しかし、彼女の過酷な自己犠牲は誰にも理解されず、華やかな治癒魔法を使う妹アリアと、王太子である婚約者によって国から追放されてしまう。
だが、ソフィアは一切怒らなかった。
「とうとうアリアが、国の穢れを引き受ける立派な聖女になるのね! おめでとう!」
見当違いの感動で歓喜の涙を流し、彼らの未来を心から祝福して旅立っていく。
その後、穢れの反動で倒れたソフィアは、圧倒的な力を持つ隣国の魔王・ヴェルネリスに拾われる。
「お前をこんな目に遭わせたゴミどもを、今から5分で消し炭にしてこようか?」
ソフィアの傷を見て即座に物騒な提案をする過保護な魔王に、極上のドレスと温かい食事を与えられ、彼女は初めて『人間らしい幸せ』を知っていく。
一方その頃、祖国では異変が起きていた。
結界の張り方など知らない妹の手には負えず、国中に穢れが溢れ出したのだ。
やがて過去の文献から「ソフィアが己の命と引き換えに国を守っていた」という悍ましい真実を知った妹と王太子は、取り返しのつかない罪の重さに恐怖し、絶望の中で醜く責任を押し付け合い始める。
国が滅びかけ、泥に塗れて這いつくばりながら魔王城へ助けを求めにくる王太子。
しかしソフィアは、そんな彼を一切責めることなく、聖母のような笑みを浮かべてそっと「風邪薬」を手渡すのだった。
「私にはもう関係のないことだから。でも、あなたたちならきっと大丈夫よ! 応援しているわね」
これは、一切の悪意を持たない純度100%の優しさが、結果的に加害者たちの心を完膚なきまでに叩き折る「究極の精神的ざまぁ」と、ズレた聖女がヤンデレ魔王に全力で愛される甘い溺愛の物語。