あらすじ
風にさらわれた一通の白い封筒に、手を伸ばし
それが、最期だった。
郵便配達員である朝倉悠は、車に跳ねられ命を落とす。
次に目を覚ましたのは、無数の文字列が浮かぶ白い空間。
そこで彼を待っていたのは、世界を管理する女神の一柱――ユエだった。
「君は“世界が選ばなかった可能性”。だから私は、君が好きなんだ」
人の想いは、時に届かないまま終わる。
行き場を失ったそれは“瘴気”となり、やがて“澱み”へと変わり、魔物を生み出す。
それを処理するはずの女神たちは、すでに限界を迎えつつあった。
だからユエは、彼に役目を与える。
――届けてほしいんだ。
死者が遺した想いを。
届かなかった言葉を。
世界から取りこぼされた、すべてを。
英雄でも、救世主でもない。
ただの郵便屋である彼は、異世界で“想いを届ける”ことになる。
その果てに待つものが、救いなのか、それとも――。
これは、届かなかった想いの配送記録。