あらすじ
AIとロボットが労働を代替し尽くした社会では、多数の人間は搾取される側ですらなくなる。彼らはもはや使い道のない存在、すなわち無用者階級となる。
支配層にとって危険なのは、その無用者たちが飢えと絶望によって暴動化することだ。ゆえに必要なのがベーシックインカムである。
それは理想郷の制度ではない。家畜を暴れさせないための餌代、治安維持費、安全保障費である。
生存、娯楽、疑似的な承認、疑似的な使命。そうしたものを適量ずつ与えられた無用者は、もはや反抗しない。反抗する理由より、失う快適さの方が大きいからだ。
こうして人間は、搾取される労働者から、管理される家畜へと変わる。
そして最後には、自らの生殖と継承の意志すら手放し、満足したまま静かに消えていく。