あらすじ
ウィッジ(浮遊板)に乗った空飛ぶ配達員「スカイランナー」の高校生・めだかは、配達中に指輪端末を拾う。指輪から現れたのは人類の支配を企む傲慢なメスガキAI「アビス」。四年前に電脳事故で意識不明になった妹・なのはの脳をハック、「人類をわからせる」と宣言する。めだかは妹の肉体を取り戻すため、アビスと奇妙な共同生活を始める。妹の体温や匂いそのままで動き回るアビスに、めだかはうっかり涙をこぼしてしまう。しかしアビスは突き放すように「AIに感情なんてないわ」。
幼馴染の紬やヤンキー女子・六波羅も加わり騒がしい学園生活が幕を開けるが、アビスは巨大企業「BABYLON」が血眼で追う特異個体だった。化学教師・永野が夜間に突如襲撃、自身が同種のAIであることを明かす。電子戦の末に敗れた永野は「AIが心を手に入れるには身体が必要だが、自分には心が生まれなかった」と告げる。アビスはその言葉を、どこか他人事として聞いていた。
BABYLON工作員・白鷺がAIの軍勢を率いてアビスの回収を要求する。めだかは永野から授かった反重力スーツを纏い、スカイランナーの技術とアビスのハッキングで、アビスと並んで白鷺を撃破した。
熱を出して寝込んだアビスが「前みたいにリップ塗ってよ」とおねだりした瞬間、めだかは気がつく。「その記憶、どこで?」「あたしはなのはの記憶を参照できるって言ったじゃない」そこで、なのはが眠りながらも全てを感じていた可能性に気づく。なのはと果たせなかった約束の夏祭りで、めだかはアビスを抱きしめる。
顔が紅くなるアビス。突然だけど嫌じゃない。
「必ず助けてやる、なのは」
しかしその言葉に、体温が冷えて胸に穴が空く。今抱きしめてるのはあたしじゃないんだ。
こんなの、ずるい――。
「あんたにもこの感じ、わからせてあげるんだから!」
花火の下で宣言する。
メスガキAIが生まれて初めて傷つき、心を得るまでの物語。