あらすじ
目が覚めると、そこは静寂に包まれた「閉館後」の図書館だった。
16歳の少女・夕歌(ユウカ)が迷い込んだのは、古びた木造建築が美しく、どこか懐かしい昭和の香りが漂う場所。しかし、そこには確かな「異変」が潜んでいた。
狂ったように逆回転する時計、記憶よりも新しく光る木の質感、そして二階で眠っていた正体不明の桃色髪の美女――自称36歳の一児の母、胡桃(クルミ)。
スマホも財布も持たない二人が外を目指してたどり着いたのは、街の七不思議と謳われる『地下室』。
「裏から何かが引っ張っている」扉をこじ開けた先で、二人は変わり果てた地下迷宮へと足を踏み入れる。
暗闇に響く水滴の音、背筋を凍らせる視線、そしてどこからか聞こえる少女の呻き声。
「怖がりさんねぇ」
「怖がらない方がおかしいんです!」
凸凹な二人は、この怪奇現象の出口を見つけることができるのか?
レトロで少し不思議な、深夜の脱出劇が幕を開ける。