あらすじ

伯爵家の妾腹として生まれ、継母から虐待を受け続けてきたシエラ。 彼女の唯一の希望は、同じく虐げられている幼い弟・レオを守ることだけ。 ある日、継母から非道な命が下る。 「冷徹大公ゼノンの元へ嫁ぎ、媚薬を使って『大公の印』を盗み出しなさい。さもなくば、弟の命はないわ」 愛する弟を人質に取られたシエラは、決死の覚悟で大公家へ潜入する。 しかし、そこで待っていたのは、噂とは違う、孤独で不器用なゼノンの優しさだった。 半年後。業を煮やした継母からレオの死を予感させる脅迫状が届く。 シエラは決断した。 ゼノンを裏切ることも、弟を見捨てることもできない彼女は、自らを「大公印を盗んだ大罪人」に仕立て上げ、囮となって夜の森へ飛び出した。 夫人の怒りを自分一人に引きつけ、レオを救い出す隙を作るために――。 死を覚悟した彼女を捕らえたのは、怒りに燃える追手ではなく、ゼノンの温かな腕だった。 「ようやく捕まえた。……もう、独りで戦わなくていいんだ」 実は、すべてを知っていたゼノンは、裏でレオの救出を完了させていたのだ。 救われたシエラ。しかし、今度はゼノンの命が「星の呪い」に蝕まれていることを知る。 「今度は私が、ゼノン様を救いたい」 母から受け継いだ薬師の知恵と、目覚めたばかりの聖女の力が、死を待つだけだった大公の運命を溶かしていく。 これは、自分を「囮」だと思い込んでいた少女が、真実の愛と幸せを掴み取るまでの物語。

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小説を読もう2026/04/05
  • 現在の作品【完結】自ら「囮」となって逃げ出したのに、妻である私を「待つこと」と溺愛されました