あらすじ
「すぐ戻るから」
それが、彼女との最後の会話だった。
十五年ぶりの命日。俺はあの「事故現場」の交差点に立っていた。
気がつくと、景色は一変している。
現代のパン屋は消え、そこにはあの日あったコインランドリーが建っていた。
そして俺の目の前を、亡くなったはずの婚約者が通り過ぎていく――。
身体は透け、声は誰にも届かない。
絶望する俺の前に現れたのは、なぜか俺の姿が見えるという不思議な女性・千紗子だった。
タイムリミットは、事故が起きる今夜。
自分の未来が変わらなくても構わない。ただ、彼女が生きている世界を作りたい。
孤独な男の、優しくて切ない「過去改変」が始まる。