あらすじ
王太子から「無能」と蔑まれ、婚約破棄された侯爵令嬢のリリアーナ。
彼女に言い渡されたのは、魔獣がうごめき、死に絶えた最果ての辺境伯領への事実上の追放だった。
冷酷無惨と噂される辺境伯一家に怯えるリリアーナだったが、出迎えてくれたのは不器用で心優しい家族たち。
そして彼女が日々の感謝を込めて振る舞った手料理には、精霊の加護による「規格外の浄化作用」が秘められていた!
瘴気で味覚を失っていた次期辺境伯アレクセイは彼女の料理で味覚と感情を取り戻し、
枯れ果てていた大地は瞬く間に緑豊かな豊穣の地へと生まれ変わっていく。
一方、リリアーナを失った王都は精霊に見放され、枯渇への道を辿っていた。
今さら彼女の価値に気づいた王太子が連れ戻しにやって来るが、辺境の家族たちは全力で彼女を守り抜くことを誓い……。
「俺の生涯をかけて、お前を守り、愛し抜く」
料理しか取り柄がないと思っていた不遇令嬢が、温かい家族と真実の愛を手に入れる、美味しい辺境スローライフファンタジー!
【登場人物紹介】
◆リリアーナ・エヴァンス
本作の主人公。
侯爵家の長女でありながら虐げられ、料理だけを心の支えにして生きてきた不遇の令嬢。
本人は全く自覚していないが、精霊に深く愛されており、彼女が作る料理には魔力を回復させ、大地を豊かにする規格外の浄化作用がある。
控えめで自己評価が極端に低いが、食材と料理のことになると目を輝かせる。
◆アレクセイ・ヴォルツ
辺境伯家の長男。
黒髪に鋭い三白眼、長身で威圧的な雰囲気を持つため、周囲から恐れられている。
最前線で魔獣と戦い続けた瘴気の影響で味覚を失い、感情も希薄になりかけていた。
不器用で口数は少ないが、根は深く優しい。
リリアーナの料理によって味覚を取り戻し、彼女を誰よりも大切に想い、不器用ながらも激しく溺愛するようになる。
◆ガウェイン・ヴォルツ
アレクセイの父であり、現在の辺境伯。
熊のように大柄で豪快な性格。
領民を何よりも大切にしている。
冷酷という噂とは裏腹に、涙もろく家族思いの温かい人物。
リリアーナを実の娘のように可愛がる。
◆エレナ・ヴォルツ
ガウェインの妻であり、アレクセイの母。
凛とした美しさを持つが、性格は非常に朗らかで世話焼き。
過酷な辺境の地で男たちを支える芯の強い女性。
リリアーナに母親の温もりを教え、彼女を甘やかすことに全力を注ぐ。
◆ルーク
リリアーナの周りを常にふらふらと飛んでいる光の玉。
その正体は強大な力を持つ光の大精霊だが、リリアーナはただの可愛い光る虫か何かだと思っている。
リリアーナに危害を加えようとする者には容赦しない。
◆エドワード
王太子であり、リリアーナの元婚約者。
表面的な美しさと偽りの聖女の力に騙され、リリアーナを無能と見下して婚約破棄を突きつける。
のちにリリアーナの真の価値に気づき、激しく後悔して彼女を取り戻そうと画策する。