あらすじ
国家は、ついに“幸福”を管理する時代に到達した。
内閣府直轄の意思決定中枢に導入された人工知能《ノリン》は、
国民一人ひとりの状態を解析し、最も効率的に幸福を最大化する選択肢を提示する。
その中枢に接続された一人の官僚は、
提示される“最適解”を選び続けるだけで、国家を改善へと導いていた。
犯罪は減少し、不満は消え、社会は安定する。
すべては順調だった。
――ある一人の人間を、切り捨てるまでは。
それは、正しいはずの選択だった。
だがその決断は、
やがて国家の見えない歪みとなって現れ始める。
これは、
“正しさ”が世界を変えていく物語。