あらすじ
地方判事の家に生まれた生真面目な青年士官アルバートと、名家グレイヴズ家を継ぐ聡明な令嬢エレノア。
晩餐会の事件をきっかけに近づいたふたりの感情は、互いへの理解と敬意から始まった。
言葉を交わすたび、静かに積み重なる恋。
そしてアルバートはグレイヴズ家へ婿に入り、彼女とともに家を支えていく未来を選択する。
だがその約束は、凄惨な事故によって断ち切られた。
軍組織の杜撰な管理体制の犠牲となった部下は、死後もなお現場指揮の責を問われた。
剥奪された彼の名誉を取り戻すため、アルバートは組織の歪んだ構図と戦う決意をする。
たが同時にそれは、エレノアとの未来を犠牲にする選択でもあった。
愛している。
それでも、待ってくれとは言えない。
待ち続ける理由を、もう書けない。
これは、互いを深く理解し最後まで誠実であろうとしたふたりが、正しさゆえに手放さなければならなかった、静かで痛切な愛の物語。
※本作の執筆にあたり、雷師ヒロ様の作品『リンデル王室史話 〜王位を望まぬ冷遇王子が政変王と歴史に名を残した理由〜』の世界観と舞台設定をお借りいたしました。ここに深くお礼申し上げます。
https://kakuyomu.jp/works/16818093093051596455