あらすじ
人の想いは、燃料になる。
怒り、後悔、愛、憎悪――死の間際に生まれた強い感情は消えず、現実に残り続ける。
それを回収し、力に変える者たちがいる。“未練回収屋”。
棗瑛一は、その一人だ。
他人の未練を燃やし、強くなる代わりに、自分という存在を少しずつ失いながら。
彼がこの仕事を続ける理由はただ一つ。
十四年前に死んだ父が残した「守れなかった」という未練の意味を知るため。
ある日、極めて危険なSランク未練の調査をきっかけに、
瑛一は“未練を人為的に生み出す組織”の存在に辿り着く。
「未練は資源だ。人はどうせ死ぬ。なら有効活用するべきだろう?」
倫理を切り捨てたその思想は、瑛一の在り方と真正面から衝突する。
――それでも、自分は違うと言えるのか。
他人の想いを燃やし続けた先で、
瑛一は初めて“自分の未練”と向き合うことになる。
これは、誰かの最後の言葉を受け取り続ける男が、
自分の答えを見つけるまでの物語。