あらすじ
地下世界アビスの最底辺——第五層「廃棄層」。
番号だけで呼ばれる奴隷の少年カイは、誰にも知られていない力を持っていた。
目的を定めれば、そこに至る最適な道筋が光の線として視える力。
母を失った日に手に入れた、生き延びるための唯一の武器。
ある日、記憶を持たない少女リーンが廃棄層に送られてくる。
夢を見ない。涙が出ない。初めて会ったはずのカイの名前を言い当てる。
何もかもがおかしい少女。しかしカイの道筋は、リーンを排除した未来に「何もない」と告げた。
二人は手を組み、地下からの脱出を目指す。
カイの論理と、リーンの直感。二つが噛み合った時、不可能だった道が拓かれる。
だが少年は知らない。
地上が本当は何であるかを。
少女が本当は何者であるかを。
そして自分自身が、なぜこの力を持っているのかを。
これは、道を視る少年と、道を持たない少女の物語。