あらすじ
「先生、一緒に死んで」
精神科医の僕は、担当していた猟奇的殺人犯の少女、ミゼリの手によって心臓を貫かれ、その生涯を閉じた。
死の淵で聞いたのは「いってらっしゃい」という甘い囁き。
次に目覚めた時、僕は魔力が支配する異世界で『賢者セト』として転生していた。
再会したのは、かつての無垢な白い衣を脱ぎ捨て、神々しい法衣を纏った『聖女ミゼリ』
彼女は強大な魔力を用い、国民すべての感情を「去勢」し、争いも苦痛もない、けれど死んだように静かな世界を作り上げていた。
聖女として君臨するかつての患者と、彼女に飼われる賢者となった僕。
痛みがない世界は本当に幸せか?という問いを持ちながら、彼は再び「回復術士」として彼女に立ち向かう。