あらすじ
死んだら神に呼ばれた。「異世界で王子をやれ」と。
渡されたのは『運命点』1000ポイント。因果をねじ曲げる力。使えば減る。補充はない。
普通は自分を強くする——剣術、魔法、身体強化。
俺は自分には1点も使わなかった。
全部、環境と人材に回した。
転生先は、シンラ王国の第三王子。
与えられた領地は「北の墓場」と呼ばれる最果ての荒野。兄二人は要衝を手に入れ、貴族どもは俺を数にすら入れていない。
だが、俺には前世で10年叩き込まれた化学の知識がある。
燃える石を掘り、鉄を溶かす燃料を作り、凍えた民に暖と飯を届ける。
何もない土地を、段取りと科学で変えていく。
——ただし、問題が一つ。
神はもう一人、同じ条件で転生者を送っていた。魔王軍の側に。
同じ1000ポイント。あいつは全部、自分の肉体に使った。残り、ゼロ。
温存と全ツッパ。積み上げと一発逆転。
10年後にぶつかるその日まで、俺は走り続ける。