あらすじ
死ぬことを、もう決めていた。
コロシアムの英雄と謳われる剣闘士カリウスは、異種族に支配された世界で隷属の刻印を刻まれ、終わりの見えない剣闘士生活を送っていた。どれだけ戦っても、どれだけ勝っても、人間には未来がない。擦り切れた男が最後に選んだのは、せめて納得できる相手の手で死ぬことだった。
そんな男の前に、声を失った少女・ミカエルが現れる。
喋れない。痩せ細っている。剣を握ったこともない。それでも——『生きたいか』と問えば、小さく頷く。
カリウスは少女に剣を教え、逃げる準備を整え、自分の死に向かって歩き続けた。
だが……。