あらすじ
この世界では、国と国の争いに人間の血は流れない。
——そういうことになっている。
代わりに戦うのは、《造命師(シェプファー)》が生み出した人造の兵——ホムンクルス。
国家間の紛争は決闘場に持ち込まれ、互いのホムンクルスをぶつけ合い、勝った側の主張が通る。
フィリス・ヴァイスブルーム。十五歳。
観測史上最大の魔力を持つ——天才造命師。
彼女が学院に連れてきたホムンクルスは、たった一体。
「落ちこぼれ」と笑われた。
笑った者たちは、まだ知らない。
あと三体、迎えに行っていないだけだということを。
離ればなれになった四人の姉妹(ソレッラ)を一人ずつ取り戻し、
空席だらけの食卓を、ひとつずつ埋めていく。
全員が揃ったとき——戦争は、三十秒で終わった。
「みんな、おつかれさま! ねえ、今日のごはん、何がいい?」
十二体のホムンクルスを殲滅した直後のその笑顔を、軍部は《箱庭の魔女》と呼んだ。
愛が深いほど、ホムンクルスは強くなる。
だから彼女の娘たちは——誰にも止められない。