あらすじ
レイヴン・スレイアブルが育ったノルヴィン自由都市はまさに一触即発な状態であった。
三つの大国に囲まれた変哲のない地形に、大国には大きく劣る国力。
誰が実権を手に入れるかの内戦も未だに決着の付いていない状態で、先の短いことは自明の理であった。
しかし、レイヴンはずっと準備をしてきたのだ。
世界に名を轟かせた最強の英傑を、死者として蘇らせ使役する。
長い月日をかけたその計画は、一見成功したかのように思えた。
が、致命的なエラーがレイヴンの身を襲ったのだ。
「あんたはあたしの最後を、踏みにじったのよ?」
「私は感謝しているぞ? また実験ができるのだから」
「福利厚生……うぅ……そんなものないんだ 」
「せいぜいなけなしの知能で、それなりの方便を述べてみるがよいぞ?」
呼び出した死霊ははっきりとした自我を持っており、レイヴンの意思で動くことはなく。
彼の計画は、完璧に破綻してしまった。
それでも、レイヴンは諦めない。
――絶対で平等な、人類の"巨悪"となるために。
道化は演じ続ける。
歪んだ世界の平和の為に、四苦八苦するそんな男の物語。