あらすじ
「私、誰かの役に立ちたいんです!」
そんなキラキラした理想を抱いて沖縄のパン工房『あおぞら』に入職した新人支援員・森下くるみ。しかし、そこで待っていたのは、スマホのパズルゲームに耽り、冷めた目で利用者を突き放す上司・一ノ瀬だった。
そこは、社会の枠からはみ出した「パン作りの天才たち」が集まる場所。
記憶を失う恐怖と戦う認知症の老職人・源さん。
独自の「リズム」に固執し、変化を拒絶する自閉症のヒロくん。
嘘で自分を固め、居場所を探しては逃げ出すタクヤくん。
「支援」という名の優しさは、時に彼らの自立を妨げる毒になる。
「お前は、鏡になれ」
一ノ瀬の冷酷な言葉に傷つき、空回りしては泣きべそをかくくるみ。
納期に追われる現場、パニック、立ち退き要求、そして「障がい」という変えられない現実……。
「きれいごと」が通用しない就労支援の最前線で、くるみは泥まみれになりながらも、白いコックシューズを脱がない。
それは、彼らが焼き上げるパンの香りが、あまりにも温かかったから。
未熟な新人が、不器用な仲間たちと「本当の自立」を問い直す、34話の再生と継承の物語。