あらすじ
デスゲームの最終局面。誰もが死を覚悟したその瞬間、無機質なアナウンスが流れた。
「システムエラーにより、今回のゲームは全員生存となります」
安堵も束の間。運営は「ミスのお詫び」として、目の前のテーブルに1億円(重さ10kg)が入ったアタッシュケースを置き、姿を消す。
「誰が受け取るか、話し合いで決めてくれ」という無責任な言葉を残して。
理性が、1億円の魔力に蝕まれていく。
「公平に山分け」という善意の声は、10kgの札束が放つ「インクの匂い」を前に、次第に歪んだエゴへと変貌する。
あるのは、生々しい欲望と、互いの「主張」をぶつけ合う論戦だけ。
密室に閉じ込められた5人。
彼らはこの「自由という名の檻」から、生きて、そして「人間」として出ることができるのか?
漂白された「正しさ」を打ち砕き、人間のドロドロとした影をエネルギーに変えて描き切る、ソリッド・シチュエーション・心理スリラー。